マリナが来てから蒲谷家はまた一段と賑やかになった。

そんなある日、雷慈は公園に、エレナは図書館に行っていて二人は帰り際に合流した。
談笑しながら歩いていると二人は何かに気づいて空き地に目をやった。
空き地では3人組みのグループが話し合っていた。すると

「ヤクの売買に成功すれば俺達ゃ大儲けだ。」
「お主も相当のワルよのう。」
「そのヤクで錯乱した隙にとどめを掛ければ奴は死に、これを繰り返せばこの世界は俺達の物だ。クックック。」

話を聞いた二人は思わず固まった。
「マ、マズイ。何て奴らなんだ。」
「これは大変な事を聞いたわね。」
二人がその場から逃げようとした時だった。

「オイ!今俺達の話を盗み聞きしていたな?」
何と非情にも3人に見つかってしまったのだ。

二人はすぐさま変身しようとするが、
「しまった。家にスマホ置いて来ちゃったんだ。」
エレナはスマホを家に置いて来たために変身が出来なくなっていた。

仕方なく逃げる二人だが、3人は容赦なく追いかけてくる。
必死で逃げ続けていると行き止まりに追い詰められてしまった。
「さっきはようも盗み聞きしてくれたな!」
「おかげで計画が台無しじゃないの!」
「知った以上は死あるのみだ!」
3人は二人はマシンガンを突きつけ今にも殺そうとしていた。
二人は死を覚悟し目を瞑ったその時だった。

「はぁっ!!」

突然頭上から黄色いコスチューム姿の少女が現れ、3人をまとめて蹴散らした。
「このクソガキが!」
3人はマシンガンを少女に向けるが、少女は怯む事なく強烈なパンチをお見舞いし3人を吹き飛ばした。

「危ない所をありがとうございます。君は?」
「あたしはパラレルイエローよ。さっき危ない気配を感じて来てみたら大変な事になってたから。」

イエローの声を聞いて二人はふと気になった。
「その声ってもしかしてマリナ?」
「あたしが蒲谷マリナかどうかは極秘なのです。」
イエローはうっかりフルネームを言ってしまった。
「やっぱり、姉ちゃんの勘は鋭いわよ。」
エレナの言葉にマリナは言葉が出なかった。そんな時今度は雷慈が喋った。
「さっきの3人組って何者なんだ?」
「奴らは秘密結社ポイズンの幹部で細身の青年がシャーク・唯一の女性幹部がタイガー・パワータイプの大男がベア・そしてその親玉がポイズン・デッドと言ってパラレルワールドの世界に現れては毒薬で混乱させて殺し、その世界を乗っ取ろうとしているの。最近活動を始めたようでまだ薬による被害は発生していないけど一刻も早く野望を食い止めなければ全パラレルワールドが奴らの手に落ちてしまうわ。」
ポイズンの目的を聞いた二人はこう言った。
「なんて奴なんだ。」
「凶悪にも程があるわ。」
「絶対奴らの野望を食い止めよう。」
「被害が出てからでは遅いからね。何としても被害が出てはならないわ。」
3人は打倒ポイズンを結束した。とここでマリナが言い出した。
「お姉ちゃんと雷兄はそれぞれパラレルガール・パラレルボーイと名乗ってるけど今の名前じゃ今後メンバーが増えた時に困るから固有の戦士名を名乗った方がいいわよ。」
マリナの提案に二人は考えた。
「じゃあ俺は白いからパラレルホワイトにするよ。」
「私はピンクだからパラレルピンクね。」
新たな戦士名が決まるとマリナが言った。
「これで3人になったね。」
こうしてパラレルヒーローズは3人体制となった。

一方その頃

「くそっパラレルヒーローズめ!絶対許せねえ!!」
パラレルイエローに吹き飛ばされた3人は怒りを顕にして叫んだ。

終わり

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